恋と首輪



あのあと私が持ってきたお弁当を食べて、主人のやる気が復活して仕事再開した。

かと思いきや、
パソコンをいじる主人に「こっち来て」と呼ばれると、ぐっと手を引いて私を足の間に座らせる。

そして当然のようにまたパソコンをいじりだす主人。
こんなんで仕事が捗るはずがない。

「あの私帰りますよ」
「え、なんで?」
「いや、私邪魔でしょ?」
てゆうか、もともと帰るつもりだったのに主人にホールドされて動けない。

「邪魔じゃない。帰らないで。早く終わらせるから。ね?」
「……ゔっ、」
まともにこんなお願いされて帰れるはずもない。

「…じゃあ手伝いましょうか?」
「え?」
「いや、私いつもお兄ちゃんの仕事手伝ってるし、データ集計とかだったらできますけど…」
「えー、でも…」
「てゆうか、やらせてください!!」

私にできることだったら何でもやりたいし、これで主人の負担が減るなら…。

「わかったよ、でもできる範囲でいいからね」
私の気迫に負けた主人は、置いてあった別のノートパソコンに電源をつける。

「あの…」
「なに?やり方わかんない?」
「離してもらっていいですか?」
さすがに抱きしめられたまま、仕事はできない。

「えー、このままじゃだめ?」
「だめです」
食い気味に言うと、不満そうに私から手を離す。
おもちゃを手放す子どもみたい。

それから、私は前にあるソファで作業を続けた。