恋と首輪



「みゆ、俺これからまた会社に出勤するようになるからあんまり送ってあげられなくなるけど大丈夫?」
「え、あ、私は大丈夫ですけど、」
「そんな心配そうな顔しなくても大丈夫、もう俺無理したりしないから」
「……はい」

大丈夫、とは言ってみたものの、
主人に会えない日が続いて約1週間。

…いや、大丈夫じゃないかもしれない。

主人はそもそも学校に来ることも減って、顔を見るのすら困難になってる、

また無理に働いてるんじゃないか、とか
ちゃんと寝てるのかな、とか

色んなことがつもりにつもってしまって。

寝る前に電話はくれるけど、いつも声がなんか疲れてるし、これで主人の睡眠時間を減らしてるって思ったらどうしてもすぐに終わらせてしまう…。

ああ、顔見たい…

「会いに行けばいいんじゃないですか?」
「え?何?私今声出てた?」
「いや、そんな顔してらしたので。全然会えてないんですよね、蓮様と。」

……こわ、南雲怖…。
この人には絶対隠し事とかできないな。

ま、別にする必要もないけど。

「うん、でも仕事の邪魔になるかもだし」
「まあ、確かに今すごい忙しそうですけど、ちょっと顔見るぐらいだったらいいんじゃないですか?蓮様も会いたがってましたよ、みゆ様に。」
「え、まじ?てか、私より南雲の方が蓮に会ってるのなんかムカつく」
「いや、そんなこと言われても…。みゆ様も行けばいいじゃないですか、彼女だからってゆう理由があれば十分だと思いますけど。」

そうか、余計なこと考えるのやめよ。
色んな理由作って、拒否されたらどうしようって思って、

気づけばいつも主人から会いに来てくれてた気がする。電話だって。

たまには私だって、甘えていいのかな。

「あ、蓮様土曜日出勤するって言ってましたよ」