「あの、私がワイン取りに行ってる間何話してたんですか?」
「んー?男同士の話」
無事、食事も終わり主人を近くまで送る途中、1番気になってたことを聞く。
私が戻ってきた後、最初の気まづい空気が嘘みたいに何やら楽しそうに話してるし、主人はいつの間にかお兄ちゃんのこと蒼司兄さんとか呼んじゃってるし、
…男同士の話って、なんだ?
「…お兄ちゃん余計なこと話してないですよね?」
「余計なことって?」
「…私のこと、とか」
「みゆのことは、余計なことじゃないじゃん」
「…話したんですか?」
「んー、ちょっとね」
繋いでた手を離して、主人はゆっくり私を抱き寄せる。
「何…ですか…急に…」
「なんか兄さんの話思い出したら、抱きしめたくなった。」
「…もう、何聞いたんですか!!」
「みゆってすげー可愛いよね」
「…ッ、はぐらかさないで!」
「ふは、ただみゆが可愛いって話」
「……うそだ」
「ほんとだよ」
風がスッーっと吹いて、主人の匂いがほんのり香る。
「みゆは、これ以上俺を好きにさせてどうしたいの?」
「……ッ、知らない…//」
その少し大袈裟すぎる愛情表現が、今は丁度いい。
お兄ちゃんが何を言ってたとしても、もういいやって思えるぐらい、主人の顔が嬉しそうだから、私も一緒に笑った。
「みゆさ、この前蓮君と付き合った時、蓮くんも私のこと好きだった~って泣きながら報告してきたんだよ。他にも蓮くんとメッセージしてる時いつもニヤニヤしてるし、蓮君の夢見たいからって枕の下に蓮君の写真置いてるんだってさ~ほんとムカつくぐらいみゆに愛されてるからやっぱ俺、君のこと嫌いかも~。あ、これ俺が言ったって言わないでね」

