恋と首輪

独占

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「みゆ！帰ろー」
ドアから聞こえるその声に、急いで帰る準備をする。

もう主人が教室まで迎えに来ることにも慣れて、それを密かに楽しみにしてる。

周りも私たちの関係に慣れたかと思いきや、

「今日も美しいなー蓮様まさか毎日拝めるなんて、月宮みゆと同じクラスでよかった～」
「なんか付き合いだしてから蓮様雰囲気変わったよね？前より親近感湧くってゆうか」
「それなー、ワンチャン付き合えそうな感じあるよねー。奪っちゃいたい。」
なーんて、思ってる人たちが多い。

…蓮は私の彼氏なのに……。
って、待って。今何考えた…？

私こんなに独占欲強かったの…。

「どうしたの？難しい顔して」
「いや、なんでも……」
「そう？」
たまに、どうしようもなく不安になる時がある。
私だけがこんなに、主人を好きな気がして。

恋って難しい。

「ねえ、いい加減教えて？何があったの？」
帰り道、突然止まった主人は私の顔を覗き込む。

「俺なんかした？」
「え、いやちがっ…」
「じゃあなに？心配でこのまま帰せないんだけど」

こんなの言ったら重いって思われそうなのに、でも心配そうな主人を見ると、言わざるをえなくなる。

「……引きませんか？」
「うん、引かないよ」
私は、顔を隠すようにゆっくり主人に抱きつく。

「……みゆ？」

「…蓮は、私を…独占、したいとか、思いますか？」