俺を抱きしめたみゆの体は少し震えていた。
君が今日ここに来たのはやっぱり間違いだったよ。
君がここに来なければ、
俺は彼女を突き放す覚悟はできていたのに。
ああ、もうほんと。
彼女は、何を考えてるんだろう。
「会いたかったです、蓮様」
俺も会いたかったよ。
死ぬほど。
「……んんっ、」
俺は、彼女の薄い唇に吸い付く。
ほんとは、みゆに触れたくてたまらなかった。
長いキスの後、顔を離すと涙目で、顔を赤く染めるみゆ。
その顔が俺の理性を止まらなくさせてるのに、きっと彼女は気づいてない。
もう一度、唇を重ねる。
ああ、やべ、止まんねえ。
いつの間にか俺の手は、彼女の制服に手をかけてボタンを外そうとしていた。
だめだろ、これ。
前に一回、これでみゆを泣かせてるし。
「……ッ…ごめん、」
みゆから無理矢理体を離す。
…危なかった。これ以上は、さすがにやばい。
と、冷静になったその時。
みゆは、初めて自分からキスをした。
あまりに突然な出来事に固まる。
「……好きに、してください」
「…は?」
顔を真っ赤にしてうつむきながらそう言うみゆは、今自分が何言ってるか分かってるのだろうか。
人がせっかく我慢してるのに…
「いや、でも……」
そう言った俺の言葉を遮って、みゆの手が俺の手を掴んだ。
そして自分の胸元に持っていく。
今日の彼女はおかしい。
「抱いてください、蓮様」
もう無理だ。その瞬間、俺は理性を手放した。

