「私と結婚してください、蓮様」
冗談だって言えよ。
笑えよ。
何馬鹿なこと言ってるんだ。
狂ってる。
だけどそう言ったみゆの目が、あまりにも真っ直ぐで、真剣で、
笑えなかった。
結局
「君も他の女達と一緒なんだね」
俺の地位、肩書きだけを見て寄ってくる女共と。
必要とされてるのは俺じゃない
財閥の御曹司である東雲蓮なんだ。
みゆだけは違うと思ってたのに。
少しでも信じてみた俺が馬鹿だった。
結局、女は、俺を裏切る。
凄い虚無感が俺を襲う。
何だよ、俺らしくもない。
俺は少し、悪夢を見てたみたいだ。
「もう顔も見たくない」
全てがどうでもよくなった。

