拳から恋




──放課後、Sに囲まれる前にわたしは階段をかけおりた。のだが……



「あれ、花蔭。っいいところに!来い!」

「はぁ!?」


何故か下からやってきた風間くんに有無を言わさず腕をつかまれ、連れていかれる。


まっすぐ昇降口に向かってくれているから、いいっちゃいい。


「早く靴履き替えろよ。このまま──うお!?」


角を曲がったところで、風間くんがバックしてきたから避けて、何かと顔を出してみる。


「このまま、どこに行くつもり?巽」


にこにこの大月くんがいて、風間くんの顔が歪む。


「くっそ、今日こそ普通のデートとやらをして花蔭をおとす算段だったのによ。……邪魔すんなよな」

「おとすって、そんな簡単な子じゃないって。それに邪魔はこっちの台詞」