拳から恋




沈黙がおとずれ、


わたしのせいで切り上げさせてしまったことを詫びようとした時、

俯いていた風間くんがぶつぶつと呟きだした。



「俺ら以外で高速なSの昇格……しかも女……S初の女……」


「巽?」


一向に顔を上げない風間くんの顔を覗き込む大月くん。

だが同時に風間くんは顔を上げ、わたしを見据えた。


「……っ」


何を言われるんだろう。

降格……か?




ニッと笑って発せられた言葉は──






「惚れた」







──え?惚れ……?



風間くんの斜め上の一言に、固まる空気とわたしたち。
しかし風間くんはそんなことお構い無しに、テーブルに手をついて身を乗り出した。