拳から恋



「いやいや、流石に本気の蹴りを初見でガードされたらちょっとは落ち込むさ」



そうか……大月くんはきっと、足技が得意なんだ。
腕は反動をつけるためにうまく使い、リーチの長い足で攻守を担えば、そう簡単に自分の(ふところ)に入らせることはない。


──単純に強いとかじゃない。賢いやり方だ。


だからわたしの攻め方は一択。
風間くんのようにかわし続けるのではなく、(ふところ)に入って確実に当てにいくこと。


それもチャンスは一度……

一度入ればその後の警戒は強くなる。
こういう人は尚更ね。



「……ふぅ」


体力を削ることもしたいけど、長引かせるよりも一発狙いにかけた方がよさそうだ。