拳から恋



互いに構えに入り、目があったのを合図に一瞬にして大月くんに間合いを詰められる──


低い姿勢から一直線にダッシュ、その勢いのままに足を蹴り上げて来た。

それをかわした瞬時に、もう片方の足が迫ってくる。


「……ッ!!」


二段蹴りのような足技を、腕でガードし受け止め、跳ね返す。



──細身なのに、このパワー……反則級かもっ。



それに、大月くんから仕掛けて来たことに少し驚いた。
わたしの先手に合わせてくると思ったから。


「あらあら……一発でのしちゃおうと思って珍しく先手必勝でいったのに。ざーんねんっ」

「思ってないこと言わなくていいんだけど?」