拳から恋



「っと!?あっぶね……」



後ろからの蹴りに気付いたからだ。

風間くんの髪を掠り、その足は下げられる。

「なーんだ、ちゃんと後ろにも目ついてるんだね」


様子見をしていた大月くんが、わたしたちに……主にわたしにだろうけど。死角から来ていた。


「夢中で花蔭さん相手にしてるから、巽にはワンチャン当たるかと思ったのに」


ざーんねんっ、と全く思ってるように感じない言い方をする大月くん。
わたしは風間くんがよろけた隙に、内側に切り返し白線から離れた。


「っくそ……でもま、簡単におわったら面白くねぇ」



少し息が乱れる風間くんだけど、きっとすぐに整うだろう。