拳から恋





「……っと何、聖おれとやる気なの?」



わたしが最初に足を振りかざしたのは、一番近くにいた白鳥くん。

顔すれすれの所でかわされたけど。


「言ったでしょ?秒でその気にさせるって。ちょっとした挨拶みたいなものよ」


ゆっくりと足を戻して、笑みを見せれば、どこか気だるそうだった瞳が見開かれた。


「やるじゃん。こんな蹴り、ただの女じゃできねぇもんな。……おれ、弱いやつ嫌いなんだけど、やっぱお前は特別だわ、聖」

「そいつはどーも」

「お前は最後の楽しみにとっておいてやるよ」


どうやらやる気を引き出せたようだ。


ならお次は──


誰がどのタイミングで動いてきてもいいように、構える。

だが大月くんに動きはない。
最初のうちは様子見でもするつもりだろうか。

一番に風間くんが動き出すと思っていたけれど、予想が外れた。