拳から恋



「そういうこと。花蔭さんがはじめてだから、改めてルール説明を。巽」


「白線は出たらじゃなく、踏んだ時点で負けだ。そこまで追い込まれた証拠ってとこだな。二対二とかじゃなく、バトル・ロワイアル形式……わかるか、花蔭?」


「最後の一人になるまで、相手を倒さないと終わらない……と」


わたしの返答に、風間くんは深く頷いた。


「そうだ。時間は無制限。だから今のうちに深呼吸でもしとくんだな。……始まったら、一秒も休む暇なんかなくなるからよ」


ニッ、とやる気十分な表情をわたしたちに向ける風間くんに、大月くんと白鳥くんはいつもと変わらず涼しげな顔をしている。

わたしもその一人。



軽く肩を回したり、首を回したり、各々が開始に向けて体を解していく。


「俺の合図でチャイムが鳴る。……お前ら、覚悟はいいな?」


わたしたち三人の沈黙を良しと見なし、風間くんが左腕を空に掲げると、本来鳴らないこの時間に、



開始のチャイム(ゴング)が鳴った──