拳から恋




午前九時──グラウンドのど真ん中に、

Sの四人が集結。



校舎はいつもの賑わいが嘘のように消え、静かに見守るヤンキーの皆。


いつもこうならいいのに。



「やっと来たぜ、この日が」

「巽の総長阻止しないとね」

「……とりあえず、巽狙いな」



風間くんの二連覇を阻止する二人に、

はじめての戦いに挑むわたし。


わたしは総長の地位が欲しいわけじゃないから、辞退も出来る。
だけど一度は参加してみないと、彼らの本気と実力をこの身で感じられない。



「……この四角に区切られたスペース内でやればいいの?」


わたしたちの周りには、丁度教室くらいの広さで囲った白線が引かれてある。