拳から恋


立ち上がろうとしたものの、がっちり……足を掴まれ立つことが出来なかった。


……こうなったら、話を変えて落ち着こう。


「そ、そうだ、何でS同士の勝負乗り気じゃないの?」

「総長めんどくない?って毎度思ってるだけだったけど……今回はいつもより倍やる気ねぇよ」

「どうして?」

「あ?考えたらわかんだろバカ。好きな女殴ってトップ取りに行くとかあり得ねぇ」

「……Sに上がってこいって言ってたのに?」

「そこまで気ぃまわってなかったわ」

「そう……」


なんか、"好きな女"って直で言われると、無意識に心臓が速くなっていくな……


けれど──


「何で?勝てるつもり?」


わたしの勝負心の方が上回る。
好きだとかの前に、なめないでいただきたいからね。


でも、わたしの挑発じみた言葉に、白鳥くんはまた笑った。


「照れたと思ったら、マジの眼向けてくる感じ、そういうとこ変わってねぇな。……もしおれに本気出せってんなら、その場でその気にお前がさせろよ。そしたら──」


「秒でその気にさせてあげる」