アタシは百合からの電話を切るのも忘れ、家に帰り自転車で駅へ急いだ。 ーーなんで ーーケンシロー…何しに行ったの 自転車を思い切り漕ぎながら…あの日のケンシローの言葉を思い出していた…。 ーー俺…この木から生まれたんだ…。 冗談ぽく言ってたから、その時は別に何とも思わなかったけど… 何か…あの場所にあるの 何か…特別な何かがあるわけ ねえ…ケンシロー… どこにも行っちゃやだから 待っててよ 今すぐ行くから