幽霊鬼ごっこ

☆☆☆

翌日。
学校へ来ると今までと同じように、みんなからは信一の記憶が消えていて、直人の記憶が戻ってきていた。

「昨日情報をくれたのは榎本さんっていう子なの。今日も図書室にいるかもしれない」
昼休憩の時間に私はふたりを連れて図書室へと急いだ。

「あ、今日も来たんだ。今回は友達も一緒?」
昨日と同じ場所で表紙の厚い本を広げていた榎本さんが顔を上げて言った。

昨日は信一と一緒だったんだけれど、その記憶は私1人がここにいたように書き換えられている。

「うん」
私は頷いて榎本さんに由紀と直人を紹介した。
3人で榎本さんの前の席に座る。

「昨日吉野さんに話しかけられてから、自分でもちょっと調べてみてるんだ」
そう言って読んでいた本を見せてきた。

それは10年前の卒業アルバムだったのだ。
「亡くなった生徒の名前は森慎吾さん。この人だよ」
アルバムの中の男の子を指差す。

集合写真の右上に四角く切り取られた写真の子は確かにあの男の子で間違いない。
「でもちょっと気になることがあったんだ」

「気になることって?」