☆☆☆
「鬼交代だね。今の間はドリブルやめていいよ」
男の子の声が遠くに聞こえてくるようだった。
私の足元に信一がドリブルしていたボールがころころと転がってきて止まった。
私は呆然としてそれを見つめていた。
「た……食べた。信一を、食べた!」
後で由紀が甲高い悲鳴を上げているけれど、気にすることもできなかった。
青鬼は足先から徐々に緑色へと変化していく。
そして最後に口から直人を吐き出した。
直人はなにが起きたのかわからない様子で床に座り込んで周囲を見回している。
「俺、なんで体育館に?」
「直人……」
すぐに駆け寄りたかったけれど、動けなかった。
緑色になった鬼を見上げると、鬼はおとなしくそこに立っているだけだった。
まだ司令が出ていないんだろう。
「お、俺が鬼になってたんだよな? 今度は……信一か?」
「鬼交代だね。今の間はドリブルやめていいよ」
男の子の声が遠くに聞こえてくるようだった。
私の足元に信一がドリブルしていたボールがころころと転がってきて止まった。
私は呆然としてそれを見つめていた。
「た……食べた。信一を、食べた!」
後で由紀が甲高い悲鳴を上げているけれど、気にすることもできなかった。
青鬼は足先から徐々に緑色へと変化していく。
そして最後に口から直人を吐き出した。
直人はなにが起きたのかわからない様子で床に座り込んで周囲を見回している。
「俺、なんで体育館に?」
「直人……」
すぐに駆け寄りたかったけれど、動けなかった。
緑色になった鬼を見上げると、鬼はおとなしくそこに立っているだけだった。
まだ司令が出ていないんだろう。
「お、俺が鬼になってたんだよな? 今度は……信一か?」



