幽霊鬼ごっこ

信一が頷いたと同時に長い爪の手が伸びてくる。
ふたり同時に駆け出してステージ方面へと逃げる。

そこには由紀がいて、恐怖で固まってしまっている。
鬼は大きな一歩であっという間に距離を詰めてくる。

このままじゃ誰かが掴まっちゃう!
そのときだった。

「森!」
信一が叫んでいた。
「森慎吾だろ!! お前の名前!」

今までステージ上で笑いながら鬼ごっこを見ていた男の子が目を見開いた。
「どうしてそれを……」

戸惑い、後退りをしている。
振り向くと男の子の動揺と連動するように鬼の動きが止まっていた。

ドリブルは続けているけれど、私達を捉えるために伸ばして手は空中にある。