幽霊鬼ごっこ

本当は鬼が持っているボールに当てたかったのだけれど、そうすればきっと直人が失格になってしまう。

だからできなかった。
鬼が怯んだスキに逃げ出すと、その先に信一が待ってくれていた。

「裕美、大丈夫か?」
「私は大丈夫。今ボールをぶつけたら怯んだから、使えるかもしれない!」

私が投げたボールはコロコロと床を転がっている。
「それはいいんだけど……」

信一の視線が上を向く。
振り向くと青鬼が顔を真っ赤にそめてこちらを睨みつけている。

「わ、私怒らせちゃったみたい?」
「だな」