「うん……」
由紀はゆっくりと私から距離を開ける。
私は由紀を安心させるように微笑んで頷いた。
だけど内心は心臓が飛び出してしまいそうなくらい緊張していた。
今度こそ、自分が食べられる番かもしれない。
鬼になって、仲間を攻撃してしまうかもしれない。
不安は胸の中にグルグルと渦巻いて、体がずっしりと重たくなる。
「無駄なことは考えちゃダメ。今は逃げることだけ考えなきゃ」
自分自身にそう言い聞かす。
怖いけど、逃げたいけど、今は立ち向かう時間だ。
その時だった。
ガガガッと音が響いて誰もいないはずの体育館倉庫の扉が左右に開いた。
そして中から4つのバスケットボールが転がり出てきて、幽霊の前で停まったのだ。
体育館倉庫の扉はいつの間にか閉まっている。
「今日はこれを使いながら鬼ごっこをしようよ」
幽霊がボールをひとつ手に取って言った。
「どういう意味だ?」
由紀はゆっくりと私から距離を開ける。
私は由紀を安心させるように微笑んで頷いた。
だけど内心は心臓が飛び出してしまいそうなくらい緊張していた。
今度こそ、自分が食べられる番かもしれない。
鬼になって、仲間を攻撃してしまうかもしれない。
不安は胸の中にグルグルと渦巻いて、体がずっしりと重たくなる。
「無駄なことは考えちゃダメ。今は逃げることだけ考えなきゃ」
自分自身にそう言い聞かす。
怖いけど、逃げたいけど、今は立ち向かう時間だ。
その時だった。
ガガガッと音が響いて誰もいないはずの体育館倉庫の扉が左右に開いた。
そして中から4つのバスケットボールが転がり出てきて、幽霊の前で停まったのだ。
体育館倉庫の扉はいつの間にか閉まっている。
「今日はこれを使いながら鬼ごっこをしようよ」
幽霊がボールをひとつ手に取って言った。
「どういう意味だ?」



