幽霊鬼ごっこ

「うん。水泳は得意だよ」
それなら大丈夫かもしれない。

「信一、あと10分鬼ごっこを続ければ開放されるんだよ。3人なら大丈夫だから」

「それでも、直人は戻ってこないだろ」
それは、きっとそうだろう。

今日の由紀のようにみんなから存在を忘れられると思う。
だけど、今はここから脱出することが大切だった。

「お願い信一。まずは今日の鬼ごっこに勝とう。それから、この幽霊鬼ごっこについて調べなおそう」

そう言うと、信一は渋々納得したように頷いたのだった。