幽霊鬼ごっこ

ちょっと不気味に感じるほどの静けさに、靴を履いたまま昇降口の中へと引き返した。
「みんな?」

廊下へ向けて声をかけてみると、トンネルの中みたいに自分の声が反響した。
こんなこと、初めてだ。

私は廊下へ背を向けて再び外へ出ようとしたそのときだった。
一歩足を踏み出した瞬間、目の前の景色が変わった。

学校を取り囲むようにして植えられている植木が消えて、代わりに大きなプールが現れたのだ。
「うわっ」

危うくプールの中に足を突っ込んでしまいそうになり、引っ込める。
「ここって、学校のプール?」

私の右手には低学年用の浅いプールもあり、後方にはシャワーがある。
見間違いようもなく、ここは学校のプールみたいだ。

でも、どうして?
キョトンとして立ち尽くしていると、不意に人の気配を感じた。