幽霊鬼ごっこ

説明しても綾はずっと不思議そうな顔をしている。
まさか、由紀のことを覚えてないの!?

そう聞こうとしたとき教室のドアが開いて先生が入ってきたので、なにも聞けないままホームルームが始まってしまったのだった。

だけど、それからもおかしなことは続いた。

教室へ入ってきた先生が点呼を取り始めたのだけれど、由紀の名前だけ飛ばして読み上げていくのだ。

そして最後に「よし、今日は全員出席だな」と言って名簿を閉じてしまった。
「あ、あの、先生!」

思わず手を上げしまう。
「どうした吉野」

「あの、由紀は欠席です。今日来ていません」
「由紀? それは誰のことだ?」

先生がもう1度名簿を広げて生徒たちの名前を確認している。
けれどすぐに顔を上げると「そんな生徒、1組にはいないぞ?」と言ったのだ。
「嘘……」