「終わった……?」
全身の力が抜けて立ち上がることができない。

信一に手助けしてもらいながら、どうにか立ち上がるけれどやっぱり両足に力が入らなかった。

「ドアが開くようになってるぞ!」

直人の声に顔を向けると、あれだけ力を込めても開かなかったドアが開いている。

「外に出られる!」
私と信一もすぐに廊下へと向かう。

教室の外へ出た瞬間嬉しさがこみ上げてみて涙が出てきた。
「終わった……終わったんだよね!?」

「あぁ。俺たち幽霊鬼ごっこに勝ったんだ」
信一が嬉しそうに答える。

よかった。
これで家に帰ることができる!

その場で何度も飛び跳ねて喜びたい気分だったけえれど、体力が限界に来ていてそれもできない。