幽霊鬼ごっこ

「裕美、どうした?」
信一に声をかけられて、私は我に返った。

その瞬間今まで考えていた榎本という人に関する情報が記憶の奥深くに沈み込んで行き、もう出てくることはなかった。

「大丈夫だよ、信一」
なにかもっと大切なことを忘れている気がする。

私は……私達4人はとても大切なことを忘れている。
だけどそれがなにかわからない。

そうだ。
誰かの願いを叶えるんだっけ?
願い?
誰の?

もうひとつの願い。
「わかんないや。保健室、急ごう」