幽霊鬼ごっこ

あと5分。
あと5分。

そう思って必死で足を動かす。
もう止まることはできなかった。
由紀も、直人も走りっぱなしだ。

息が切れて汗が吹き出して、両足が痛くてたまらない。
それでも走り続けるしかない。

「ガアアア!」
緑鬼の咆哮が全身をビリビリと震わせても、ドォンと拳が地面を叩いても止まらない。

そして、やっと。
「今日の鬼ごっこは終わりだ」

森慎吾が低く、怒りを込めた声で告げた。
ホッとした足から力が抜け落ちていく。

その場に座り込んだのは由紀と直人も同じだった。
3人とも汗びっしょりでもう一歩も歩けない。

「じゃあ、また明日」
森慎吾はそう言うと、緑鬼と共に姿を消したのだった。