幽霊鬼ごっこ

貯水槽の陰に隠れていた由紀が顔を出した。
「うん……なんとか」

まだ恐怖で足が震えているけれど、どうにか動くことはできそうだ。
振り向いてみると、まだ鬼は動き出さない。

「今なら写真が撮れるかも」
由紀が小声で言う。

確かに、緑鬼の後にはカメラがある。
鬼の後方に集まれば写真を撮るチャンスがある。

「行ってみよう」
私は勇気を出して再び歩き出した。

森慎吾へ向けてまだ言葉を続けている直人に近づく。
直人は気配に気がついて視線だけをこちらへ向けた。

カメラがある方向を指差すと、直人が微かに頷いた。