幽霊鬼ごっこ

緑鬼の咆哮がすぐ後に聞こえる中、逃げ惑う私たちの姿がカメラに収められた。
「へぇ。なかなかやるじゃん」

森慎吾が関心した声を上げる。
ギリギリ、後の方に緑鬼の姿も入っていてセーフだったんだろう。

「あと2枚!」
直人が叫ぶ。
だけどその前に緑鬼に追いつかれてしまった。

大きな拳がすぐ隣に振り下ろされて「キャア!」と悲鳴を上げる。
逃げたいのに、足が震えて動かない。

緑鬼が再び拳を振り上げた。
そして私の頭上へと持ってくる。
「いや……やめて信一」

震える声は小さすぎて緑鬼には届かない。
ガタガタと震える足は言うことを聞かず、一歩前へ踏み出したと同時にその場に崩れ落ちてしまった。