幽霊鬼ごっこ

「くそ。意外と頑丈だな」
今度は直人と信一が一緒になって窓を蹴りつけた。

窓はまるでトランポリンのようにふたりの足を跳ね返し、ふたりは床に転がってしまった。

「なんだよこれ」
床に手をついて起き上がりながら直人が青ざめていく。

「こんなに柔らかい窓、壊せるわけがない」
信一が立ち上がり、窓に触れた。

けれど今度は跳ね返されることもなく、叩いてみると硬そうな音がしている。
「こ、このまま外に出られなかったら私達どうなるの!?」
由紀が叫ぶように声を上げる。

私は外側に面した窓に目を向けた。

「まだ明るいけど、すぐに真っ暗になるよ。そしたらきっと親たちが心配して探しに来てくれる。だから大丈夫だよ」

少なくても、朝までここに閉じ込められているようなことはないはずだ。
と、そこで違和感に気がついた。