長い指がジェイダの胸元を辿り、留めてあった一つ目を外そうとしている。
(あ、わわわっ!!や、やばい……さすがにこれ以上は……!!)
見てはいけないと思うのに、お年頃の目が釘付けになって動かない。
真っ赤になったまま、食い入るように見つめていた目をどうにか床へと落とした。
「……で。お嬢さんは、いつまでそうしている気?」
「え……っ、うわ、きゃあっ!?」
一瞬目を離した隙にドアをパッと開けられ、オーリーは尻餅をついた。
「お、お、オーリー!?……ロイ!!知ってたの!?な、な、な、何で止めないの!ばかぁっー!!」
「まさか、ここまで覗いていくとは思わなかったんだよ。あと、君があんまり可愛いから、途中で止めたくなかった」
不可抗力とでも言いたげだが、全然そんなわけない。
「……理由、後半だけですよね?」
なぜ、当の本人よりも照れないといけないのだろう。
しれっとした叔父を睨みつけたが、床に放り出された状態では上手くいかない。
「だって、君は子供じゃないんでしょ、オーリー。もちろん、小さなお子さまだったら、さすがの僕も自制しているけど」
(本当にーー!?だって、ライリーは知ってましたけどーー!?)
言いたいのに言えないのが悔しい。
口をパクパクさせるだけのオリヴィアに、ロイは更にムカつく一言を降らせる。
「この先はだーめ。ニールに教えてもらいなさい。ね?」



