優しくしないで、好きって言って


「瑛大!?」


 床に座り込み、ベッドに突っ伏すような格好で寝ていたその人を確認するや否や、急いで身体を起こした。

 
「ちょっ、え、なんで……?」


 信じられない。

 だって瑛大が私の部屋にいるとか、こんなの……。


 バクバクと大きくなっていく鼓動を酷く自覚した。

 全身が、熱に浮かされたように熱くなる。


 なんなのこれ、どういう状況?

 も、もしかして、昨日……。いや、そんなまさか……!


「……ん、あれ? 俺寝ちゃってた?」


 ぴくんっ。身を捩りながら頭を抱えたその時、隣から聞こえてきた気怠げな声に身体が跳ねた。

 私はとっさにシーツを手繰り寄せ、身を隠すように抱き締める。


「ねっ、寝ちゃってたって……どうして瑛大が」


 こんなところで──そう続けようとした瞬間、ぶわっと記憶の断片が脳裏に蘇ってきた。


 ちょっと待って……?


 昨日はお風呂から上がった後、リビングで瑛大に髪の毛を乾かしてもらってたでしょう?

 で、その後瑛大の昔話を聞いたり、お互いのことを話し合ったりして、それから──。