優しくしないで、好きって言って


***



「ん……」


 チュンチュンと鳥の囀りが耳に聞こえ、もう朝だと知る。

 だけど今日は休日だし、何だか身体も心なしか怠い。

 ……というわけで、もうちょっとだけ寝てていいよね?

 そう思って寝返りを打とうとしたところで、違和感にぶち当たった。


 まだ夢でも見てるのかな。

 薄く開いた目に、人影のようなものが映って見えるのは気のせいか。

 誰かが部屋にいるなんて、そんなわけないのに。


「ひっ……!」


 だけどぱちりと目を開けてみて、戦慄した。

 なっ、なんで……。