優しくしないで、好きって言って


***



「ご馳走様でした」


 綺麗になったお皿を前に、手を合わせる。

 パパはお仕事が長引く、ということで結局瑛大とママと私、3人での食事になった。


 オムライスにビーフシチューに海鮮料理、ほかにもデザートまで色々。

 久しぶりのママの料理はどれも絶品で。


「寿々香さん、プロみたいですね」

「あら〜照れるわ」


 ほんと、瑛大の言う通り。

 私もいつかママのように作れたら……というのはおいおいの話ということで。


 ……それより。


「瑛大、にんじん克服したの?」


 昔は苦手でよく残してたのに、あっさり完食してるんだもの。

 びっくりして当然よね?

 なんて思い出して訊ねてみたけど、その顔を見てすぐにわかった。