優しくしないで、好きって言って


 ……それにしても、いったい今日は何の日なんだろう。

 私の誕生日はもう終わったし、ママとパパ、それから竜胆の誕生日でもない。

 何かの試験に合格したわけでもないし……。


 そうやってぐるぐると思考を巡らせている最中、ガチャッと扉が開く音が耳に届いた。

 
「ジャーン! スペシャルゲストの瑛大くんよ〜!」

「……」


 ……デジャブ?


「えっとね、巴さんから今日は瑛大くんがお家に一人だって伺ったものだから、せっかくだし一緒にお食事でもどうかなって思って……」


 思って……?


「呼んじゃったっ」


 固まったままいる私に、ママがてへっとハートマークを飛ばした。

 ……ママらしいと言えば、ママらしいけど。