優しくしないで、好きって言って


「やだー、瑛大くんそれ本当?」

「ええ。もちろんです」

「きゃーー、嬉しいわぁ」


 待て待て待て。何を言ってるのこの男は! それになんだか知らないけど妙に冷静で……。


 はっと気づいた。


『いずれわかるよ』


 もしかして瑛大、この話知ってた──!?

 頭の中で繋がった瞬間に振り向くと、


「七瀬は俺と結婚するの嫌?」

「うっ……」


 射抜かれた。

 まっすぐな瞳が、私を捉えていた。


 なによそれ。

 ねえ、なんでそんなこと……。


「とっ、とにかく、一度瑛大……くんとお話させてもらえませんか?」


 なんとか自分を取り戻した私は、ママたちの方へ向き直るなり、口早にそんな提案を放った。