優しくしないで、好きって言って


「好きって言って」


 少しでも満足するように、たくさん伝えてほしい。

 離れても淋しくないように、私の心を瑛大でいっぱいにしてほしい。


「……好き。好きだよ七瀬」


 聞こえてきた言葉に、とくんと胸が高鳴る。


「私も好き」


 どちらともなく、引き寄せられるように唇が重なった。

 触れ合ったその部分から、多幸感が広がっていって。

 吸い込んだ瑛大の匂いに酔ったみたいに、頭がくらくらとしちゃう。


 ずっとこうしてたい……。このままの時間が、ずっと続けばいいのに。

 そんなことを願ったら、欲張りかな──?