優しくしないで、好きって言って


 初めてのデートはドキドキしつつも、とっても楽しくて。

 これが幸せなんだなあって、常に全身で感じていた。

 瑛大といるだけで、こんなにも私は満たされた気持ちになるんだと、改めて知った。


 そして、色んな乗り物を満喫し、すっかりと日が落ちた空の下。


「そろそろ帰るか」


 ついにこの時がやってきてしまった。

 なんだか寂しい気持ちになってしまった私は、ぎゅっと瑛大の腕を掴む。


「……やだ」

「七瀬……」

「まだ帰りたくない」


 腕を掴んだまま、足元を見つめる。