「瑛大ってばあ。可愛い彼女を放置しないの!」
……こうも変わるとはな。
つーか、んな可愛いこと耳元で言うなって。
首元に見えるチェーンの先には、あの日俺が渡したエンゲージリングをつけているらしい。
あの、ぶかぶかだったやつ。
サイズ合わせて贈り直そうと思ったのに……これがいいって。わけわかんねぇな、ほんと。
……ま、こうやって肌身離さず持っていてくれるのは俺だって嬉しいけどさ。
「はいはい。で、どした?」
そろそろ本気で怒られそうだ。
そう思って訊ねてみたら、なぜか忙しなく左右に動きだした2つの目。
「だからね、その……。なんで瑛大は、私に好きって言ってくれなかったの?」
「……は?」



