優しくしないで、好きって言って


「あのさ、俺……七瀬ちゃんのこと、もっとよく知りたいんだけど」


 えっと思考が固まる。


 ちょっと待って?

 思いもよらぬ展開を前に、冷や汗が吹き出してきた。


「そ、それはどうも……」


 さっきの言葉がどういう意味かわからないほどバカじゃない。

 とはいえ、悪いけどそういうつもりは全くないのが正直なところだ。

 合コンに来ている女がなにを言ってるんだって話よね? だけど……。


 んー、やっぱりここははっきりと〝合コンには友達に連れてこられただけ〟だと伝えるべき? でもそれじゃ失礼? どうする私。


「よかったら、連絡先でも──」

「あっ」

「「っ!?」」


 ビクッと身体が跳ねた。

 深町くんの言葉を遮るように誰かの声が響いたから。


 ばっと勢いよく振り返ってみると、そこで見たのは……。