優しくしないで、好きって言って


「前に言ったけど、七瀬がこれ持っててくれてんのわかった時、ほんと嬉しかったんだよね」

「……」


 どこか艶っぽく見える、優しげな瞳。

 ぽつりと声を零しながら、私から受け取ったテディベアの頭を撫でる瑛大の表情に、私はドキッとした。


「で、本題」


 つい見惚れてしまっていると、切り替えるようなそんな声が響いて、一気に我に返る。


「……このペンダントの鍵、俺がちゃんと持ってるって言ったらびっくりする?」


 私は、言葉もなく驚いた。

 そしてスルッと持ち上げられた銀のそれを、無意識にもじぃっと凝視していた。