優しくしないで、好きって言って


「なによ、急に……」


 あの日からというもの、瑛大から一つも連絡がないのだ。

 メッセージくらい、くれてもいいのに。

 毎日のようにかかってきていた電話も、あの日を境にピタリとかかってこなくなった。


 そう、あんなに毎日のようにかけてきてたのにさ。

 急になくなったら、変な気分じゃない……。


 ポスッとベッドに身を預けたその時、頭にもしやと嫌な予感が過ぎった。


 ──私が、瑛大との約束を忘れちゃってたから。

 そのせいなの?


『今度会った時、答え合わせするから』


 あの時瑛大は笑顔を見せてくれていた。でもそれは、ただの見せかけだったのかもしれない。

 そう考えれば、全てしっくりくる。


 きっと、大切な約束だったんだ。

 それを私が忘れてたから……。


「……っ」


 胸が押しつぶされそうになった私は、枕元のテディベアを抱きしめる。

 瑛大からもらった、思い出のテディベアだ。


 そういえば……あの日も、今と同じような気持ちだったな。