「今度会った時、答え合わせするから。じゃ、親父さんによろしくな」 そう言って、ひらりとあげられた手。 透明な自動ドアを抜けていくその後ろ姿を、私はただ眺めるしかできなかった。 どうしよう……。 急にそんなこと言われても、困る。 「約束って……なに?」 もやもやとしたものが募るそんな中、一人残された私は、少し遅れて胸に抱いた言葉を力なく口にした。