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「……ふぅ」
息をつき、手洗い場の鏡に映った自分を見つめる。
胸に手をあててすぐ、指先が震えているのに気づいた。
会えないと思っていた人が、突然目の前に現れたんだもの。そんなの動揺しない方がおかしい。
正直、まだ信じられない自分がいる。
まだ夢を見てるんじゃないかって……でも。
「これは、夢なんかじゃないんだよね……?」
私と瑛大が出会ったのは、幼稚園の頃だった。
最初に声をかけたのは私。
その日のお迎えの時間、たまたま教室に私と瑛大だけが残っていたのがきっかけだった。
瑛大といえば、いつも一人でいる無口な子。
そんな印象だったのが、話してみると意外と人懐っこいんだなって印象に変わった。
それからいつの間にかよく遊ぶようになって、気づいた時には隣にいるのが当たり前の存在になっていた。
そして小学校に上がった頃から、瑛大はどんどん人気者になっていったんだ。



