優しくしないで、好きって言って


 ──そうして私たちは、瑛大の休憩時間いっぱいまで文化祭を楽しむことにした。

 お化け屋敷だったり、演劇だったり、喫茶店なんかにも行った。

 楽しくって、幸せで、私はついこんなことを願ってしまったんだ。


 この幸せな時間が、永遠に続けばいいのに──。


 しかし、それは突然降り掛かってきたんだ。


「? ママからだ」


 次はどこに行こうか、なんてパンフレットを広げた時、スマホのバイブが鳴っていることに気づいて出た電話。

 その時聞こえてきたママの声に──。


「えっうそ、パパが……?」


 一瞬にして、目の前が真っ暗になった。