優しくしないで、好きって言って


「七瀬ちゃん来てたなんてなー。誰かのお誘い?」

「え? ま、まあ……」


 深町くんの質問にぼんやりとした返事を返した私。

 フレンドリーなのかなんなのか、相変わらずの距離の近さになんだか圧倒されてしまう。


「えー、誰? この前合コンにいたやつ?」

「えっと……」

「俺だよ」

「っ!?」


 ビクッと身体が大きく跳ね上がった。

 突如耳元に降ってきた声に、いきなり抱かれた肩。

 一瞬の間の後、そろりと顔を向けると──。


「綾城!?」


 深町くんから驚きの声があがった。それも、無理はない。

 私だって、驚きすぎて逆に声が出せないくらいだ。

 だって……なんで瑛大がここに?

 さっきまで焼きそば焼いてたはずなのに。


「なんでお前が七瀬ちゃんのこと」

「なんでって……七瀬は俺の婚約者だから」


 ドクン──。