優しくしないで、好きって言って


 ──あの子……。


 瑛大の隣でにこにこと笑顔を振りまく、ボブカットの女の子。


 ──やっぱり、クラスメイトだったんだ。


「あれ?」

「……っ?」

「やっぱり! 七瀬ちゃんじゃん」


 ボーッとその様子を眺めてしまっていたらしい。

 急に後ろから声をかけられた気がして、はっと振り返ってみると、出くわしたのは見たことのある顔で。


「深町くん!」

「お、嬉し。俺のこと覚えててくれたんだ」


 合コンで出会ったあの深町くんだった。