* 気のせいなんかじゃなかった。 うんと伸びた背に広くなった肩幅。 数年振りに見た彼は、記憶の中とはまるで違う大人びた姿をしていたけれど。 『綾城瑛大です。よろしく』 その時一瞬、ぼやけていた二つの影が一つに重なって見えた。 どうして瑛大が……? 信じられない。だって、瑛大は──。 「……っ!」 咄嗟に目を逸らした。 たぶん一瞬合ってしまった目と目に、異常なまでに心臓の音が鳴っている。 私のこと、気づいたかな? それとももう、 覚えてすらいない……?