優しくしないで、好きって言って


 数秒間交わった後、そっと離れた唇。

 理解できずただ真っ赤になる私に、瑛大は清々しいまでにすました顔で言う。


「可愛いと思ったから?」

「なによ、それっ。わかんないよ……」

「ごめん」


 謝るなら最初からやめてほしい。

 キス、なんてしないでほしい。


 じゃないと私、勘違いしちゃうじゃない。


「……ねぇ瑛大」


 ドキドキと見つめながら、その瞳に問いかける。


 なんでそんなことしたの?

 これも私を落とすための作戦なの?