優しくしないで、好きって言って


 ──これって全部、医学書……?


 そんな私の目線に恐らく気づいたんだろう。


「俺……医者目指してんの」

「えっ」


 突然落とされたそれに、私は驚きの声を洩らした。

 瑛大のパパもママもお医者様なら、たしかに考えられない話じゃない。

 だけど瑛大が目指してるなんて、考えたことすらなかった。


「たくさん、勉強してるのね」

「まあね。早いに越したことないし」


 なんて、当然のように言って笑って見せた瑛大を見た時、急に腑に落ちたような感覚が走った。